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ステンレス(SUS)

ステンレス(SUS)は非常に錆びにくく、鉄や鋼より強度が高い金属です。加工性も良く、表面には光沢感もあり優秀な素料です。

ステンレス(SUS)の特徴

優れた耐食性
主成分は鉄ですが、クロムを加えることで表面に酸化皮膜ができ、内部が守られ錆びにくくなります。
決して錆びないというわけではないので注意も必要。
鉄・鋼より強度が強い
鉄・鋼より強度が高く、耐久性が求められる場でも使用されます。
溶接ができる
様々な溶接が可能です。表面皮膜が失われてしまわないよう、
品番や用途によって溶接方法を検討しなければなりません。
磁性について
SUS304,303といったオーステナイト系ステンレスは磁性を帯びません。
見た目でわからなくても磁石を利用して種類の判断ができます。

ステンレス(SUS)の種類

SUS301-CSP

比重7.9 / 加工硬化性が大きく高引張強さ。精密部品用ばね材。(オーステナイト系)

SUS304-CSP

比重7.9 / 精密部品用ばね材。(オーステナイト系)

SUS-304

比重7.9 / ステンレスの中でも最も汎用品。 耐熱 一般的に約830℃ぐらい。(オーステナイト系)

SUS‐303

比重7.9 / 快削性に優れる。(オーステナイト系)

SUS‐309

比重8.0 / SUS304に比べ耐熱、耐食性に優れる。 耐熱 約1000℃ぐらい。(オーステナイト系)

SUS-310

比重8.0 / SUS309Sをさらに向上させたもの。 耐熱 約1200℃ぐらい。(オーステナイト系)

SUS-316

比重8.0 / 耐酸性に優れる。高温強度大。(オーステナイト系)

SUS-430

比重7.7 / クロム系の代表鋼種で冷間加工性良好。(フェライト系)

SUS-420J2

比重7.8 / 刃物、ノズル、バルブ等に使用されています。焼入れが必要。(マルテンサイト系)

SUS-440C

比重7.7 / 上記同様、最強の強度を誇ります。(マルテンサイト系)

ステンレスは主に、耐食性の高さを理由に使用されていることが多く見られます。
建築、土木分野では、構造物や建造物の基礎や骨格を支える高耐久のステンレス鉄筋・形銅から、風雪や塩害に耐える外装・屋根材の薄板まで、雨風にさらされる環境におかれることが多いため、耐食性の高いステンレスがよく使用されています。
さらにステンレスは寿命が長いため、修復、交換の頻度が少なく、ライフサイクルコストにおいてもメリットがあります。
食品関係では、冷蔵庫や乾燥機の扉、洗濯機のドラムにステンレスが使用されています。
錆びに強いステンレスは、内部筐体から外観まで生活家電を支えています。
また、切れ味の持続性の高さから、包丁などの刃物にもステンレスが使用されることがあります。
鉄道車両には軽量化目的で使用されることもあり、これに使用されるのは強度の高いステンレスで、サビにくく塗装が不要でメンテナンスもほとんど不要というメリットがあります。

ステンレスは難削材です。
熱伝導率が低いため、切削加工時に発生する熱が逃げにくく、工具へ負担がかかり、摩耗が進行してしまいます。
併せて、加工硬化性が大きい材質でもあるので、工具寿命が短くなります。
加工硬化とは、金属に加工(応力)を加えると、硬さが増す現象のことです。
また、工具との親和性が高く、切り粉が刃物に溶着しやすいためチッピングが発生します。
そのため加工精度がどうしても下がってしまう材質ですが、メタルスピードはステンレスの加工品も多く受けており、技術を持った加工担当者がいるため、精度を保ち加工をすることが可能です。

メタルスピードではステンレスの切削加工をはじめ、アルミ等の様々な金属の加工を承っております。
対応可能な加工は主に下記のものになります。

  • フライス・マシニング加工
  • NC旋盤加工
  • 板金加工
  • ワイヤーカット放電加工
  • 歯切り・キー溝加工

上記以外に研磨やメッキ等の処理にも対応しておりますので、まずはご相談ください。

ステンレス切削加工品例

ステンレス(SUS)の種類とそれぞれの用途

ステンレス(SUS)の種類一覧

ステンレスは、含有物の量と熱処理による温度によって結晶構造が変化します。
結晶構造の違いはそのまま性質の違いになり、幅広い用途でステンレスを使用することができます。
ここでは系統別にステンレスを紹介していきます。

マルテンサイト系(クロムステンレス)

マルテンサイト系ステンレスには12%クロム鋼と17%クロム鋼がJISで制定されています。
12%クロム鋼にはSUS403、SUS410、SUS420J1、SUS420J2、17%クロム鋼にはSUS440A、SUS440B、SUS440Cがあります。
マルテンサイト系は、加工するときは柔らかい状態にでき、部品として使用する時は最大限強い状態にできます。
比較的安価なクロムを含有させるため、材料コストも安く、一般的なステンレスとして様々な用途に使用されています。
固く摩耗しにくく、靭性(材質の粘り強さ)も付与できるので、機械構造部分(タービンブレード、ノズル、ポンプなど)や軸受などにも使用されています。

フェライト系(クロムステンレス)

フェライト系ステンレスには、17%クロムステンレスのみならず、より多くのクロムを含むことで耐食性をアップさせた26~30%クロムのステンレスもJIS化されました。
17%クロムにはSUS405,SUS430,SUS434などが、26~30%クロムにはSUS447,SUSXM27などがあります。
フェライト系ステンレスは室温でも高温でもフェライト(酸化鉄を主成分とするセラミックの総称)が安定で、急冷しても焼き入れで固くならないクロム系ステンレスです。
高価なニッケルを含まないので、比較的安価で、かつ耐食性にすぐれている特徴があります。
しかし、クロム含有量が多くなることで、強度が低下し、脆くなりやすい性質を持っているので、強度を必要とされる部品には使いにくいデメリットがあります。
それでも安価で優れた耐食性を持つフェライト系ステンレスは、その長所を生かして厨房用品、自動車部品、建築内装、灯油暖房機、反射板(BA板)、ガスや電気機具の部品などに、薄板や線状素材として使われています。

オーステナイト系(クロム・ニッケルステンレス)

オーステナイト系ステンレスは、製造量が全ステンレス生産量の60%を越える、最もメジャーなステンレスです。
結晶構造の特性として、加工しやすく、室温でプレス成形や冷間鍛造など、生産性の高い部品加工方法が採用できること、溶接施工性が良いため、溶接組立て構造を採用しやすいなどがあります。
18%のCr、8%のNiを含んだSUS304が代表例で、その他、2%モリブデンを含むSUS316、チタンやニオブが添加されているSUS321,SUS347などたくさんの種類がJISに制定されています。
用途範囲は非常に広く、厨房用家庭用品、食品・化学工業、自動車部品、原子力発電、LNGプラント、先端科学を含む理化学装置などに利用されています。

オーステナイト・フェライト系<二相系>

このステンレスは、オーステナイト系とフェライト系の中間的な特性を持つものが多いのですが、強度が強く、耐食性に優れているのが特徴です。
これらの特性により、海水用復水器、熱交換器および排煙脱硫装置などの公害防止機器や各種化学プラント用装置に用いられています。
代表鋼種には、25%クロム、4.5%ニッケル、2%モリブデンを含むSUS329J1があります。

析出硬化系(クロム・ニッケルステンレス)

耐食性の良いステンレスに、析出硬化によって高強度を持たせたステンレスです。
析出とは液状の物質から結晶または固体状成分 が分離して出てくることを言います。
JISではSUS630、SUS631、SUH660の三種が定められていますが、海外では非常にたくさんの鋼種が開発され、実用化されています。
用途は、高強度を有する点から、マルテンサイト系ステンレスと重複しますが、より耐食性と溶接性が高いのでエンジン部品、航空機・ロケットなどの構造材、スプリング、ワッシャーなどに利用されています。
ちなみに、析出硬化系ステンレスと前述した二相系ステンレスは、原材料が高いこと、製造が難しいこと、工程が複雑なことなどにより、他のステンレスに比べて高価なものとなっています。

ステンレス(SUS)の分類

ステンレス材は、製造方法と表面状態が密接に関係しています。
製造工程の中で、ホット材とコールド材と呼ばれる材料に分かれます。

ホット材

熱間圧延材のことです。(圧延は回転する複数個のローラーの間に金属を通し、板状等の形に加工する方法です)
熱間圧延は、金属の再結晶温度よりも高い900~1200度で加工します。
加工後、酸化膜や汚れに覆われている表面を酸で洗い流しますが、粗い状態です。(艶のない、梨地のような表面になります)
1番目の加工工程で仕上がるので、No.1材とも呼ばれています。
ホット材は加工工程での内部応力をほとんど持たないので、加工を加えても材料が変形することなく、安定した材料といえます。
ただ、表面をキレイに仕上げるためには追加で加工が必要なため、手間がかかりその分金額も高くなります。

コールド材

ホット材を冷間圧延した材料のことです。
冷間圧延は、金属の再結晶温度よりも低い、720℃以下で加工します。
表面は光沢があり、つるっとした仕上げになります。
2番目の加工工程でできあがるので、No.2とも呼ばれ、光沢を意味するブライトのBと合わせて2B材とも呼ばれています。
コールド材は加工工程での内部応力を持っているため、加工した際に歪が発生しやすいです。
特に巾や長さ方向への加工は、あまり加えないことが望ましいです。

ステンレスの表面処理

ステンレス(SUS)表面処理一覧

ステンレスには様々な表面仕上げがあります。
仕上げ方法により表面の見た目が、ぴかぴかとした光沢がある・ない、模様が入っている等といったように変わってきます。
以下の表で主な表面処理・及びどのような見た目になるかを紹介します。

名称 見た目 仕上げの方法 用途
No.1 銀白色で光沢がない 熱間圧延後、酸洗で仕上げたもの 表面の光沢が必要とならない部品等に使用されます
2B材 少しだけ光沢があります 冷間圧延(製造上の2番目の工程でできます) 一般的工材(市販品の多くは2B材です)
2D材 灰色で艶消しのような仕上げ 冷間圧延後、焼鈍→酸洗で仕上げたもの 建材などの一般的工材
No.3 光沢あり。粗い目の仕上げ 100~120番のベルトで研磨処理したもの キッチン等の厨房用の材料
No.4 光沢あり。こまかい目の仕上げ 150~180番のベルトで研磨処理したもの 医療機器・車両・厨房用の材料
#240 細かい目の研磨仕上げ 240番程度のベルトで研磨処理したもの 医療機器・車両・厨房用の材料
#320 #240よりさらに細い目の研磨仕上げ 320番程度のベルトで研磨処理したもの 医療機器・車両・厨房用の材料
#400 鏡面に近い光沢 400番のバフ研磨で仕上げたもの 表面の光沢が求められる部品。装飾用など

ステンレスが難削材と言われる理由とは?

ステンレスは主成分を鉄としてCr(クロム)やNi(ニッケル)、Mo(モリブデン)などが含有されている材料です。
表面に酸化皮膜を生成することで錆びにくく、強度があるのでものづくりの現場でよく使用されています。
しかしながらステンレス自体は色々な理由から難削材と言われています。

熱伝導率の低さ

金属の切削加工時はどんな材料でも工具と材料の摩擦で熱が生じます。
熱伝導率が低いと材料側に熱が逃げないので、切削工具に熱がたまることで工具の消耗につながり、最終的には破損してしまいます。
反対に熱伝導率の良いアルミなどは加工性がステンレスと比べていい他、鉄材もステンレスに比べると熱伝導率が良いので加工性はステンレスより良いと言えます。

切削屑が刃物に固着しやすい

ステンレスを切削した際に出る切粉が刃物にまとわりつくことで、対象物を削りにくくなります。
この現象が抵抗を大きくして刃物を痛めてしまい、工具にまとわりついたまま切削を行うと加工精度にも影響します。

加工硬化性がある

ステンレスを加工する際、切削時に材料に加えた力によって組織が硬く変化する傾向があります。
特にオーステナイト系ステンレスの代表のSUS304は加工硬化を起こしやすい材料で、もとの組織からマルテンサイト化して硬くなります。
硬くなった箇所は当然加工性に影響してしまいます。

そもそもステンレス自体は粘りのある材料なので、削る際刃物の選定や削り込み量、回転数を調整しないといけません。
削る体積が多い形状や、内径が細い・長いなどの形状は加工の際注意が必要です。
特に細穴タップは細い刃物が抵抗に耐えられなく折れることが多いです。

メタルスピードのステンレス加工

<pステンレスを切削加工する際は、他の材料を加工する時とは違った加工時の冷却方法を行うことで、さまざまな形状の再現を可能としています。
冷却方法だけでなく、ステンレスを切削加工する際は、削り込み量の調整やいかに適した刃物を選定するかも重要となります。
他の鋼材で使用する刃物とは別にステンレスを加工する際は、コーティングされた耐摩耗性に優れた超硬合金の工具や切り粉を逃がしやすい刃物、多刃の物を使用します。
ステンレスの加工では通常の鋼材と比べて想定以上のコストがかかってしまうこともあるので、弊社では場合によって求められている条件をもとにコストや再現性を考慮して、ステンレスでの加工と比較して鋼材+メッキ処理という提案も可能です。

ステンレスの番手によって切削条件や使用する工具も少しずつ異なりますが、メタルスピードでは多くのステンレス加工の実績があるので、形状の再現の幅が多いです。
フライス加工・マシニング加工だけでは難しい形状でもワイヤーカットや放電加工を用いることが弊社では可能です。
また板金加工や溶接形状も対応できますので御相談ください。

一般的なSUS304だけでなく、より耐食性のあるSUS316、汎用的なフェライト系のSUS430、SUS630などの析出硬化系ステンレス、熱処理が可能なSUS420、SUS440などのマルテンサイト系のステンレスの製作実績がございます。

メタルスピードでは後処理を含めた完成までを御受けすることが可能です。
代表的な後処理としては、表面改質を目的としたショットブラストや研磨処理、窒化処理、塗装などがあります。
目的をお伺いした上で適した処理を提案させて頂きます。

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