3Dプリンター出力

加工内容

3Dプリンター出力は3Dデータをもとに、粉末金属などの材料を固めて造形する加工方法です。金属の3Dプリンター出力では、造形ベースに薄く敷き詰めた金属粉末にレーザーを照射して、溶かしながら積み上げる粉末焼結方式の造形が主流です。加工精度は切削加工に劣る面もありますが、切削工具の制限を受けない分、形状の自由度が高い特徴があります。当社では造形した部品をマシニング切削加工で公差仕上げをすることも可能で、精度面のデメリットを補うこともできます。造形可能な主な材質はアルミ合金・ステンレス鋼・チタン合金・インコネルです。

3Dプリンター出力のメリット

図面の作成など、加工のための段取りを一部省くことができるため、データ作成から完成までの期間が比較的短くなります。何度も試験が必要な試作段階において、3Dデータの修正の度に発生する図面の作成作業が無くななります。また、形状の自由度が高く、中空構造など切削加工では難しい形状も実現できます。

形状がコストに影響しにくい

3Dプリンター出力において、ワークの形状の複雑さはほとんどコストに影響しません。それよりも、使用する材料の体積の影響が大きくなります。基本的に切削加工では形状が複雑になればなるほど加工費は増大していきます。これが制約となって1部品を複数に分割して製作したり、仕様変更をしたりして製作していた部品を希望通りに製作することができます。3Dプリンター出力での製作を前提にすることで、設計上の制約を緩和し、革新的な設計ができます。経済合理性に乏しいとされていた設計も、この加工方法で実現性が高くなります。

数量が単価に影響しにくい

切削加工などの他の加工方法では、1つの部品を製作するために治具や切削工具、金型を揃える必要があります。これらにかかる費用は製品に乗るため、少数の加工は単価が高くなります。3Dプリンター出力はこれらの加工にかかる工程が少ないため、1個でも10個でも100個でも単価は変動しにくい特徴があります。そのため、試作開発品の製作などに適しています。しかし、出力に必要な3Dデータの作成を依頼する場合は、プログラム製作費がかかるので、この点でのメリットはありません。

形状の自由度が高い

中空構造やジャイロイド構造など、3Dプリンター出力ならではの構造での造形が可能です。中空構造により内部の肉を抜いたりと、形状を維持したまま内部構造の調整による軽量化ができます。