金属加工のワンポイント講座

金属加工のワンポイント講座

onepoint

  1. HOME
  2. 金属加工のワンポイント講座
  3. プリハードン鋼の特徴

プリハードン鋼の特徴

プリハードン鋼とは、硬度を調整するため、あらかじめ熱処理が済んだ状態の金属材料のことです。鋼材メーカー各社で専用鋼材(NAK、HPMなど)を販売しているので多くの固有呼称があります。

大半がHRC45以下程度の硬度に調整し、高硬度でありながら被削性が良く、そのまま機械加工ができることを目的とした鋼材です。調質済み(熱処理済み)鋼材のため、焼き入れ・焼き戻し・研磨仕上げが必要ありません。そのため追加工程が不要で、納期の短縮と加工コストの削減をすることができます。

プリハードン鋼の大きな特徴は被削性が良く、熱処理済みという点です。HPM38やG-STARなどの熱処理での寸法変化が少ない特性を活かし、加工後に焼き入れ焼き戻しを行う事で精密さが要求される部品でも、HRC50以上程度まで硬度を上げる事ができます。

NAK55やNAK80などの時効硬化性の鋼種は、通常の熱処理と異なる方法で硬度を出しているため、焼き入れ焼き戻しで硬度を上げることができません。代わりに窒化処理を行うことで、加工後に表面の硬度を向上させることができます。

代表的なプリハードン鋼の種類と優れている物性のまとめ

名称納入硬度特性
NAK55HRC37~43鏡面仕上性、シボ加工性、溶接性、被削性
NAK80HRC37~43鏡面仕上性、耐摩耗性、被削性、溶接性、シボ加工性
HPM1HRC37~41被削性
HPM38HRC29~33鏡面仕上性、耐食性、低熱処理変寸、追加熱処理可
PX5HRC30~33鏡面仕上性、シボ加工性、被削性、放電加工性
G-STARHRC33~37耐食性、追加熱処理可
S-STARHRC31~34鏡面仕上性、耐食性、低熱処理変寸、シボ加工性、EDM性
STAVAX(H)HRC27~35鏡面仕上性、耐食性、耐摩耗性、被削性
GO40FHRC36~40低加工歪性、被削性
DH2FHRC37~41耐溶損性、被削性

プリハードン鋼の用途

主に鍛造型やプラスチック成型用金型として使用されています。以下の3つの場合、SC系統の鋼材の代替として使用することがあります。

  1. 要求硬度が中程度でも十分な場合
  2. 焼き入れ焼き戻し、その後の研磨仕上げを省略しコストの減少や納期の短縮を目的としている場合
  3. 熱処理による歪み・寸法変化を最小限にしたい精密部品の場合

プリハードン鋼加工実績

弊社ではプリハードン鋼について材料手配から加工まで一貫して承ります。各社鋼材メーカーの鋼種を様々なサイズで多くのご注文を頂いております。

また、プリハードン鋼も、アルミなど他の材質と同じように部品1個からの小ロット・短納期でお受けすることができます。材料の大きさによっては入手困難な場合もありますので、短納期希望の場合はお早めにご相談ください。

Point

プリハードン鋼は熱処理が済んだ状態であるため、焼き入れ・焼き戻し・研磨仕上げが不要な、加工を行いやすいように開発された鋼材です。
HPM38やG-STARのように加工後に焼き入れ焼き戻しを行うことで硬度を上げられる種類もあります。

プリハードン鋼のフライス・マシニング加工、旋盤加工など様々な金属加工に対応しております

アルミ加工、ステンレス加工、金属加工はメタルスピードにお任せください。
短納期で高品質の金属加工部品を大阪・東京より全国へお届けします。

ご相談
お見積もり

このサイトはアルミ加工やステンレス加工などの金属加工の情報をまとめています。金属部品の切削加工を中心に、設計や加工のご相談も承っています。不明点などある場合はお気軽にお問い合わせください。

タグ

関連記事


関連コンテンツ

お見積り・お問い合わせ

無料お見積り2時間以内に返答対応
メールでのご連絡は
info@metal-speed.com まで

お問い合わせはこちら
お問い合わせ
2時間以内に回答 無料見積もり相談 大学・研究機関の方 提供できる価値 Added Value 提供できる価値