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特殊鋼とは

2017.03.08

切削材料で使用する特殊鋼とは、鉄の素材にいろいろな元素を加えて特性を付与した合金のことを言います。

特殊鋼には様々な性質があります。

添加する物質、そのタイミング、量により硬くなったり、強度が増したり、錆びにくくなったり、靭性を持ったり、熱に強くなったり、摩耗しにくくなったりと色々な性質を持つことになります。

また単純に物性アップだけではなく特殊鋼を切削加工する際、加工性をよくする為に物質を添加することもあります。

例えば鋼が特殊条件を持つことで得られるメリットは以下のように考えられます。

硬さUP→他の鋼を削る工具鋼として利用されます。

また、金型にも適します。

強さUP→切削部品として寿命が長くなるので運動が加わる箇所の部品に用いることができます。

靭性UP→バネ製品などに使用されることになります。

耐腐食性UP→屋外や水の掛かる場所、船舶部品に使用可能です。

耐熱UP→高温下で物性の低下を抑えることができます。エンジン周り等が代表です。

耐摩耗性UP→摺動部分に使用される部品の寿命が長くなります。

加工性UP→より精密な精度を求められる部品の切削加工に適することになります。



◇特殊鋼に添加される物質とその効果

ニッケル(Ni)

粘りと強さUP。また熱にも強い性質を持ちます。

クロム(Cr)

錆びにくく、摩耗性がよくなります。

モリブデン(Mo)

粘りが増し、高温でも強く、硬くなります。

銅(Cu)

錆びにくくなります。

コバルト(Co)

高温下でも硬さを保ちやすくします。

チタン(Ti)

粘りと強さUP。表面が強くなり、錆びにくくなる性質も持ちます。

マンガン(Mn)

硬く強くする性質を持ちます。

タングステン(W)

高温下での硬さUP、耐摩耗性向上の効果があります。

バナジウム(V)

硬く強くし、摩耗にも強くなります。



◇特殊鋼の種類

特殊鋼は主に構造用鋼、工具鋼、その他特殊用途鋼の3つに分類されます。

またその他特殊用途鋼はさらに細かくステンレス鋼、耐熱鋼、超合金、バネ鋼、軸受鋼、快削鋼に分けられます。

・構造用鋼(SCM等)

種類が多く、多岐に渡る業界で用いられています。

切削部品としては強度の必要な箇所に用いられます。

・工具鋼(SK、SKD等)

炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度工具鋼などに分類され、金型や切削工具に使用される為、強く硬い性質があり、耐摩耗性も良好です。

・ステンレス鋼(SUS)

錆びにくいクロム(Cr)を含有する鋼で、含有量は11%以上と規定されています。

表面が不動態被膜という保護被膜を形成するため、錆に強いとされています。

厳密に言うと錆びないわけではないですが、この被膜が早く形成される為、耐食性に強いわけです。

・耐熱鋼(SUH等)

高温環境でも耐腐食性、強度、耐酸化性を保つ特殊鋼です。

ステンレスも高温環境に強いことからこの分類に属することがあります。

・超合金(ニッケル、コバルト等を主成分とします)

極めて高い高温下でも耐酸化性、耐腐食性を維持し、強度を保つ合金のことを言います。

・バネ鋼(SUP)

シリコン(ケイ素)を含有することで、衝撃や疲労に強い素材に改良したものです。

名前の通り、バネ材として広く使用されています。

・軸受鋼(SUJ)

いわゆる高炭素クロム鋼のことで、ボールベアリング等に使用されます。

摺動部分ですので、耐摩耗性が要求されます。

熱処理が多段階必要ですので、製造するのに時間がかかります。

・快削鋼(SUM等)

普通の鋼より削りやすくする為に硫黄を添加した材料です。

精度を求められる際に重宝されます。



◇特殊鋼の熱処理

鋼の特性を目的に合わせて引き出す為に熱処理を行います。

イメージとして硬くするのが一般的ですが、材質によって引き出される硬度は様々です。

一般的には焼入れ、焼戻し、焼きなまし、焼ならしといった処理があります。

・焼き入れ

おおよそ850~950℃に加熱した後、水や油で急冷して行います。

この処理を行うと特殊鋼は硬くなり、強度が増します。

しかしながらこのままでは硬くなっても脆いので、焼戻しが必要です。

焼入れには色々な方法があり、一般的なズブ焼きの他、真空焼入れ、浸炭焼入れ、高周波焼入れなどがあります。

・焼き戻し

焼入れした後、それぞれの特殊鋼に適当な温度に再加熱して、冷却を行います。

こうすることで、脆い状態の不安定な組織を安定させることができ、靭性を与えることができます。

・焼きなまし

おおよそ700~900℃に加熱して、ゆっくり冷却します。

こうすることで内部の歪みを除去することができます。

・焼きならし

おおよそ850~950℃程度に加熱して、空冷にて冷却することで鋼の組織を均一微細化することができます。

・窒化処理

表面を硬化させる方法ですが、耐摩耗性、耐熱性、耐腐食性を向上することができます。

鋼の表面に窒素を含ませて化学反応により窒化層を硬くすることができます。

焼入れでは歪が発生しますが、窒化では変形が少なく、精密部品によく行われる処理です。



特殊鋼の切削加工時は色々な物質が添加されているので、それぞれにあった刃物を選定する必要があります。

また加工条件も細かく適正な方法があります。

送りスピードが速かったり、遅かったり、回転数が適正でなければ切削製品の仕上がりに大きく影響します。

また刃物の状態を常に気をつけなければ仕上がりにバラつきも生じます。

例えば特殊鋼の切削時の刃物の寿命を重視する場合や、荒加工、摩耗が激しい、硬い材料といった条件の場合は切削速度を遅くする必要があります。

湯本電機(メタルスピード)ではあらゆる特殊鋼の加工実績がありますので、まずはご相談ください。

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