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銅とは

2016.11.16

人類が最初に使った金属とされる銅には、たくさんの特徴があります。
銅は金属の中で、常温では銀に次いで2番目に電気を良く通す金属、つまり電気抵抗が小さいという特徴があります(電気の流れに対して邪魔がない)。
電気の流れやすさを表す単位で「導電率」というのがあり、国際的な表し方として「%IACS」を用いています。これは20℃での単位長さ・単位面積をもつ材料の電導度と標準軟銅(International Annealed Copper Standard)のそれとの比を、百分率で表したものです。
ちなみに、同じ実用銅合金の中でも種類によってレベルが違ってきます。

■熱を良く通す特性は宇宙でも活躍
それから銅には熱を伝えやすいという特徴もります。「電気伝導性」と「熱伝導性」には相関関係があって、電気伝導性が高いと熱伝導性も高くなります。
銅は銀の次に熱伝導率が良いというのも、電気伝導率と同じです。
熱を伝えやすいという特徴を生かしている身近な銅製品と言うと、キッチン用品などでしょうか。老舗のお菓子屋やフランス料理などの有名シェフは殆どの人が銅製の調理器具を愛用しています。熱効率が良くて調理後も冷めにくいのです。

また、熱伝導率が良いので、エアコンや冷蔵庫の伝熱管といった冷却をする箇所にも使用されます。

面白いところでは、人口衛星や宇宙船のヒートパイプにも利用されています。ヒートパイプというのは金属パイプの中に入れた作動液の蒸発と凝縮による潜熱を使って、冷却から加熱にもどることをくり返す熱輸送体で、宇宙船の温度差(太陽光線の当る側は高温で反対側は零下となる)の均熱化と地球帰還の際の摩擦熱による燃え尽きを防止するために用いられます。その為、切削加工業のお客様が宇宙関係の方であることもしばしば見受けられます。
TVドラマでもありましたね。

■非磁体性と多彩なカラー
電気や熱を通しやすいというのは基本ですが、実は銅は非磁性でもあります。
どんな物質でも強い磁石など近づけて磁場をかけると磁化しますが、銅はなりません。アルミや空気も非磁体性ではありますが、一応ほんのわずかな磁気が発生します。
この非磁性を利用した使い方として、例えば地球の磁気の観測などでは銅合金が大活躍しています。地球磁気の機器はすべて銅または銅合金が使われています。
観測や研究の狂いをなくすために重要な金属、ということです。

それから、銅は色彩美が豊かなのも特徴で、有色金属は実は金と銅の2つだけです。赤みがかった丹銅、ブラスと呼ばれる黄銅、ブロンズと呼ばれる青銅、ちょっとピンクがかった白銅、銀色の洋白という5色があります。

■銅の主な種類(JIS規格)

○無酸素銅(C1011・C1020)

無酸素銅とは、酸素をほとんど含まない純銅で、純銅の中でも最も純度が高いタイプです。

○タフピッチ銅(C1100)

タフピッチ銅とは、純銅の中では無酸素銅ほどの純度はありませんが、高い導電率と熱伝導率を誇ります。ただ、600℃以上に加熱すると水素が材料内部に残っている酸素と反応して、水蒸気を作り出し、これが材料に亀裂を生じさせる「水素脆性」があります。高温加熱や溶接、はんだ、溶接には向きません。

○脱酸銅(C1201・C1220・C1221)

脱酸銅とは、タフピッチ銅の持つ水素脆性の対策を行った純銅で、りんで脱酸を行ったものを特に「りん脱酸銅」と呼びます。タフピッチ銅に比べて導電率は劣りますが、りん(P)が残留しているために酸素が除去されており、加熱しても水素と反応して内側から水蒸気が生成されません。このため水素脆性を起こさず、耐熱性もやや向上しています。

■耐食性と超伝導線で活躍する耐低温性

さて、銅のその他の特徴として、殺菌性があって防食性に優れているという点があります。
銅は古代より水道管として使われてきました。銅の表面にできる酸化皮膜が腐食を抑え、また海水に対しても優れた耐食性を見せています。

という特徴から、銅は船などの部品にも多く使われています。
他には、1964年に開通した太平洋海底ケーブルの中継器の容器はべリリウム銅の鍛造品ですし、銅は海水だけでなく土壌でも優れた耐食性を見せています。たいていのところなら直接埋設しても耐食性が高く問題ないので、水道用管や暖房用の灯油管などにも銅は多く使われています。
さらに、銅の電気抵抗率が低くて、簡単に加工ができて、低温に強いという特性は、超電導線にはもってこいの素材です。
超電導線とは数種の素材からなる複雑な構造になっていて、高エネルギー物理研究に使用される超電導加速器や診断用装置として使われる核磁気装置、リニア・モーター・カーなどに使われています。どれも大変高精度を要する機械です。

■銅にメッキ

銅は錆びます。その為、表面処理(メッキ)が必要になってきます。
サビを除去するだけなら、やすりで擦ったり研磨をしたりすることで解決しますが、機械部品となるとそういうわけにはいきません。
そこで、メッキを施します。

銅にメッキといえば、錫(すず)メッキが主です。錫メッキはその多くは電気メッキという工法で、銀白色の半光沢または銀面光沢を呈し、その見た目の綺麗さから装飾用としても利用されることもあります。そして、錫は人体に対する毒性が低いので、食器および食品加工機械類のメッキに多く利用されます。
他には金メッキも銅のメッキに利用されることが多いです。金メッキは厚い被膜をつくることが難しく、フラッシュメッキという0.1ミクロン以下の膜厚を施すことがほとんどです。

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