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ステンレスの特徴 錆びない理由やその用途・メンテナンス

2016.11.02

■ステンレスとは

金属は、その表面が水分などと反応して、酸化物や水酸化物という反応生成物で覆われます。

つまり「錆びる」、もっと的確な表現をするならば「腐食」してしまうのです。実際に水中に放置するなどはもちろんのこと、空気中の湿度によっても金属表面に、目には見えない薄い水の膜が形成され、腐食が進んでしまいます。金属にとって水は最大の敵なのです。

しかし、同じ金属でありながら、流し台に代表されるように、ステンレスは水気の多い場所にも使用され、優れた耐食性を持っています。なぜ、ステンレスはこのような特徴を持つのでしょうか?



■なぜステンレスが使われるのか?

もともとステンレスとは鉄中にクロムを12%以上添加した高合金鋼(特殊鋼)のことをいい、名前はstein(汚れ)、less(無い)の造語で、錆びない(厳密には錆びにくい)という意味です。錆びない理由としては、ステンレスに含まれたクロムが空気中の酸素と結合して、その表面に100万分の3mm程度の薄い酸化膜(不動態皮膜)を作るためです。そのお陰でステンレスは空気中の酸素と結合することなく守られているのです。

仮にその酸化膜が傷つけられても、瞬時にまわりのクロムが酸素と結合し、酸化膜を補修してしまいます。この再生力こそ、ステンレスをより錆にくい素材にしているのです。

また、ステンレスは錆びにくいだけでなく、熱に強く、加工しやすく、強度があるという優れた性質を持っています。メンテナンスも容易で、更には100%リサイクルすることが可能な材料なのです。このため、多方面から注目される素材であることが期待できます。



■ステンレスのメンテナンス

ステンレスは錆びにくい素材ですが、残念ながらメンテナンスが行き届かず、錆びることもまれにあります。錆の原因は最初に述べたように水分ですので、徹底的に水分を除去することが有効な対策方法だと言えます。

また、気を付けたいのは「もらい錆」です。ステンレスに錆が発見された場合、他で発生した錆がステンレス表面に付着しているだけのケース(もらい錆)が多いのです。もらい錆には鉄酸化物が付着する場合と、鉄粉が付着してその後錆びて発見されるケースがあります。どちらにしてもメンテナンスされず、放置することによって、ステンレスの不動態皮膜の保持に必要な空気(酸素)の補給が悪くなるため、ステンレス自体が錆びてしまうのです。そのため、もらい錆に気づいた際は直ちに除去するようにしましょう。錆を取る際には、下地が侵食される、酸を含む錆取り剤は使用厳禁です。



■ステンレスの用途

その優れた耐食性(耐腐食性)、耐熱性、強度、成形性等により、ステンレスは一般家庭から原子力,宇宙開発まで多くの分野に用いられています。ステンレスは、含有物の量と熱処理による温度によって結晶構造が変化するので、それぞれの目的にあった性質のステンレスが、それぞれの場所で使われています。

以下に種類別の特徴と用途を挙げました。



1 マルテンサイト系(クロムステンレス)

マルテンサイト系ステンレスには12%クロム鋼と17%クロム鋼がJISで制定されており、12%クロム鋼にはSUS403、SUS410、SUS420J1、SUS420J2、17%クロム鋼にはSUS440A、SUS440B、SUS440Cがあります。

マルテンサイト系は、加工するときは柔らかい状態にでき、部品として使用する時は最大限強い状態にできます。比較的安価なクロムを含有させるため、材料コストも安く、最も一般的なステンレスとして様々な用途に使用されています。固く、摩耗しにくく、靭性(材質の粘り強さ)も付与できるので、機械構造部分(タービンブレード、ノズル、ポンプなど)や軸受などにも使用されています。



2 フェライト系(クロムステンレス)

フェライト系ステンレスには、17%クロムステンレスのみならず、より多くのクロムを含むことで耐食性をアップさせた26~30%クロムのステンレスもJIS化されました。

17%クロムにはSUS405,SUS430,SUS434などが、26~30%クロムにはSUS447,SUSXM27などがあります。

フェライト系ステンレスは室温でも高温でもフェライト(酸化鉄を主成分とするセラミックの総称)が安定で、急冷しても焼き入れで固くならないクロム系ステンレスです。高価なニッケルを含まないので、比較的安価で、かつ耐食性にすぐれている特徴があります。しかし、クロム含有量が多くなることで、強度が低下し、脆くなりやすい性質を持っているので、強度を必要とされる部品には使いにくいデメリットを持っているのです。しかしそれでも安価で、優れた耐食性を持つフェライト系ステンレスは、その長所を生かして厨房用品、自動車部品、建築内装、灯油暖房機、反射板(BA板)、ガスや電気機具の部品などに、薄板や線状素材として使われています。



3 オーステナイト系(クロム・ニッケルステンレス)

 オーステナイト系ステンレスは、製造量が全ステンレス生産量の60%を越える、最もメジャーなステンレスです。

結晶構造の特性として、加工しやすく、室温でプレス成形や冷間鍛造など、生産性の高い部品加工方法が採用できること、溶接施工性が良いため、溶接組立て構造を採用しやすいなどがあります。

18%のCr、8%のNiを含んだSUS304が代表例で、その他、2%モリブデンを含むSUS316、チタンやニオブが添加されているSUS321,SUS347などたくさんの種類がJISに制定されています。用途範囲は非常に広く、厨房用家庭用品、食品・化学工業、自動車部品、原子力発電、LNGプラント、先端科学を含む理化学装置などに利用されています。



4 オーステナイト・フェライト系<二相系>(クロム・ニッケルステンレス)

このステンレスは、オーステナイト系とフェライト系の中間的な特性を持つものが多いのですが、強度が強く、耐食性に優れているのが特徴です。これらの特性により、海水用復水器、熱交換器および排煙脱硫装置などの公害防止機器や各種化学プラント用装置に用いられています。

代表鋼種には、25%クロム、4.5%ニッケル、2%モリブデンを含むSUS329J1があります。

5 析出硬化系(クロム・ニッケルステンレス)

このステンレスは、耐食性の良いステンレスに、析出硬化によって高強度を持たせたステンレスです。(析出とは液状の物質から結晶または固体状成分 が分離して出てくること。)

JISではSUS630、SUS631、SUH660の三種が定められていますが、海外では非常にたくさんの鋼種が開発され、実用化されています。

用途は、高強度を有する点から、マルテンサイト系ステンレスと重複しますが、より耐食性と溶接性が高いのでエンジン部品、航空機・ロケットなどの構造材、スプリング、ワッシャーなどに利用されています。

ちなみに、析出硬化系ステンレスと前述した二相系ステンレスは、原材料が高いこと、製造が難しいこと、工程が複雑なことなどにより、他のステンレスに比べて高価なものとなっています。



このようにステンレスには様々な用途があり、ステンレスの種類に応じて幅広く製造に用いられます。またその種類に応じて、最適な加工方法や設計を行う必要があります。



■ステンレスについてもっと詳しく知りたい方は

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